- Written by タロット占いラーヤ
執着を手放したいとき
前回のコラム「もう不倫をやめよう、と思ったら…」で、恋愛というのは「愛」と「愛着」でできているというお話をしましたね。
今回は、あなたの中の「愛着」がもっともっと育って「執着」に変わってしまったとき、それをどう手放せばいいのかをお届けしたいと思います。
そもそも「執着」とは何でしょうか?
辞書を見てみると、「執着」とは「ひとつのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと」と書いてあります。
そう。こう聞くと、ここでみんな間違ってしまうことが多いのです。
「もうこんな苦しい恋はやめたいのに、こんなにも彼から離れられないのは、私が彼に『執着』しているからだ。だから『執着』をやめるためには、彼を愛することをやめなくちゃいけない」と。
そう考えてしまうのも無理はありません。
でも本当のところ、あなたが感じる「執着」の苦しさというのは、あなたが彼を愛しているから起こるものではなく、あなたが「愛着」を感じているものと引きはがされそうになった時に起こるものなのです。
つまり「執着」とは、あなたが「これまでの自分の状態を変えたくない」と思う、自分自身への気持ちなのです。
どんな恋愛だろうが、自分の心がわからないほど目の前が真っ暗になっているとき、それはすでに「執着」になっています。
「執着」があるときにはとても苦しいです。
自分の一部になっていたものを引きはがすときの「痛み」と、「やっぱり変えたくない!」と抵抗するときの「痛み」、その両方がありますから。
でも間違えてはいけないのは、あなたが彼を愛する気持ちは、決して「執着」ではないということ。
あくまでも、あなたが「自分の形を変えたくない」と思っている気持ちこそが「執着」なのであり、それこそが、あなたの恋の苦しさの原因なのです。
決して、「彼を愛していること」があなたの苦しさの原因ではないことを、冷静に冷静に、把握しておかなければなりませんよ。
では、本当に「執着」を手放したいときはどうすればいいのでしょうか?
それはカンタンです。
あなたはただ、「私は変わらない」と決めてしまうことです。
「たとえこの恋は卒業しても、自分の気持ちは変えない」と、自分で決めてしまうのです。
先ほどもお話ししたとおり「執着」の苦しみは、「変わってしまいそうなこと」に対して「変えたくない」と思う気持ちから発生するものです。
つまり、「彼との仲が終わったり、彼と離れてしまったりしたら、もう私は彼を愛せなくなるかもしれない、そんなのは嫌だ!」と思うときの苦しみなのです。
でも、「愛」と「執着」はちがいます。「執着」がなくなっても「愛」はちゃんと持続します。
だから、あなた自身は何も変えなくていいんです。
彼を忘れたくても忘れられないのなら、自分の気持ちを無理に変えようとせず、「私は変わらず彼を愛する」と決めてしまいましょう。
一度決めてしまえばもう大丈夫。
あなたの彼に対する「愛」はそのまま残り、「執着」している状態だけがなくなることで、苦しみは自然とあなたから離れていきます。
そうやって、あなたが今の苦しい道から抜け出したとき――いずれ次の明るく新しい道が見つかるでしょう。
「愛」はあなたを喜ばせ、「執着」はあなたを苦しめます。
決めることは何も怖くありません。
あなたは「愛」だけを手にしたまま楽になり、早く次の自分の道を見つけに行けますよ。