鑑定にお越しくださるお客様を拝見していると､好きなお相手に対する､誠実で正直な気持ちをたくさん感じます｡

それはまるで､愛する神様への｢信仰｣のようで……みんな大好きな彼のことを､｢自分だけの神様｣みたいに感じていて､大事にしたいんだな､と思います｡

女性は､好きなお相手にたくさんの思いを込めますよね｡

｢彼｣という神様に､期待し､祈り､大切にし､信じます｡

それがいつしか｢自分の中にいる彼｣と｢本物の彼｣とのギャップにがっかりするようになり､悲しくなり､泣きたくなっちゃいます｡

女性はね､安心してずっと愛し続けられる｢神様｣が欲しいんです｡

愛情深く､決して裏切らず､豊かで､正直で､自分をいつも見ていてくれる……｡

｢愛されたい｣だけではなくて､安心して｢愛し続けたい｣｡

もちろん､そんな理想通りの相手なんていないのはよくわかっているけれど……｢彼｣だけはきっときっと､私の祈りを叶えてくれるはず……と､心のどこかでそう信じているのではないでしょうか｡

だけど､彼はあくまで｢人間｣で､生きるのも､愛するのも､すべてヘタクソです｡

彼がどれだけがんばっても､あなたの期待に沿えないことは絶対に出てきます｡

それでも､あなたはきっとそれを許し､彼を愛し､慈しむでしょう｡

それまで､神様に祈りをささげるかのように彼を愛していたあなたは､彼を許すことによって､だんだんとマリア様のようになっていくのですね｡

もしかしたら､｢彼を愛する｣という行為は､あなたが｢あなた自身を許し､愛する行為｣なのかもしれません｡

本来､あなたにとって彼は｢他人｣です｡

彼の気持ちも､彼がいま何しているかも､何を喜び､何を悲しむかも……本当はわからないのが普通です｡

でも､恋愛では､その｢まったくわからない他人｣を愛そうとするのですから､そもそも｢愛｣というのはとても勇気が必要なものなのですね｡
何にもわからないものを愛するなんて､勇気がなくてできるはずがありません｡

あなたは何もわからない彼を愛そうとし､愛しながらも､｢もしかしたら彼は私の『神様』じゃないかもしれない｣と感じ……恋愛ではそんな､いろんな疑いが生まれていくものです｡

だけど､あなたは心の中でその疑いを克服し､やっぱり彼を愛そうとするのでしょう｡

それって､ものすごく力と誇りと勇気が必要な作業です｡

何もわからない彼を愛せるということは､あなたが｢あなた自身を信頼していること｣の証です｡

だから､今あなたがそんな風に自分自身を信頼できているのなら､その恋は間違いなく愛の成就へと近づいているはずですよ｡